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小児眼科
1. 近視
目を細めて目つきが悪くなるなどのサインがあれば要注意
近視は、遺伝要因と環境要因が関係しています。特に、現代の子どもは近方作業が中心の環境におかれているため、世界的に近視人口は増え、また低年齢化が進んでいます。適切な距離で、適切なメガネをかけて見ることが大事です。合っていないメガネでぼやけたまま見ていると、近視の進行につながります。
見づらいことを我慢して疲れやすくなったり、目を細めて目つきが悪くなるなどのサインがあれば要注意。早めに適切なメガネで矯正することはもちろん、学校の席を前にしてもらうなどの配慮も大切です。
近視の
仕組み
遠くから入ってきた光が、カメラのフィルムの役割である網膜よりも近くでピントが合う状態のことを「近視」といいます。そのため、近くははっきり見えますが、遠くはぼやけてしまいます。
2. 遠視
細かい作業が苦手、集中力が続かないなどの傾向が見られる
遠視は遠くがよく見えると思われがちですが、実は近くだけでなく遠くを見る時もピント合わせを強いられるため、目が疲れやすくなります。放っておくと、見たいものを黒目が追わなくなる「斜視」や、視力の発達が抑制される「弱視」になることもあります。遠視を早期発見し、メガネを装用して治療することが大切です。
子どもは調節力が強いので遠視があっても一見、裸眼視力がよい場合があります。また、遠視があると細かい作業が苦手、集中力が続かないなどの傾向がみられるお子さんもいます。そういった症状があれば、性格のせいではなく遠視のサインかもしれません。
遠視の
仕組み
遠くから入ってきた光が、網膜よりも後ろでピントが合う状態のことを「遠視」といいます。遠視は目のピント合わせの力が弱い、あるいは、目の奥行きが短いことが原因とされます。
3. 乱視
疲れ目の原因にもなることも
乱視には、角膜や水晶体の形が一定方向に歪んでいる「正乱視」と、不規則(デコボコ状)に歪んでいる「不正乱視」があります。子どもは水晶体のピント合わせの力が強いため、軽い正乱視だと裸眼視力が良いこともしばしばです。ただし、強い正乱視では物が二重に見える、ぼやけるなど見え方に影響します。
正乱視はメガネや乱視用ソフトコンタクトレンズで矯正することができ、不正乱視はハードコンタクトレンズで矯正することができます。乱視が疲れ目の原因にもなることもありますので、適正な矯正をしましょう。
乱視の
仕組み
目に入る光が網膜に一点で合わず、物がダブって見える状態のことを「乱視」といいます。ラグビーボールのような形をした角膜や水晶体の歪み度合いにより、光の屈折力が方向によって異なるため起こります。
4. 色覚異常
多くの場合、日常生活にほとんど支障はありません
網膜にある色を見分けるセンサーが原因で、一定の組み合わせの色が混同して見える症状を「色覚異常」といいます。
遺伝による先天性色覚異常は日本人男性の5%といわれ、決してまれではありません。また、色覚異常は自覚に乏しいことが多いのが特徴です。色覚検査は学校健診の必須項目から一度削除されましたが、自分が色覚異常であることを知らなかったために、進学・就職などで不利益を受けてします例がありました。そこで平成28年度から色覚検査はプライバシーに配慮しつつ学校健診で原則再開されることになりました。
自分の色覚異常の傾向を知っておくことは、安心して生活するうえでも、将来の職業選択時に適性を考慮しておく上でも大事なことです。個性の一部として上手に付き合っていきましょう。
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